スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

塀の中のジュリアス・シーザー感想(ネタバレ)

塀の中のジュリアス・シーザー

原題:Cesare deve morire
製作年:2012年
製作国:イタリア
上映時間:76分
監督:パオロ・タビアーニ、ビットリオ・タビアーニ
製作:グラーツィア・ボルピ
製作総指揮:ドナテッラ・パレルモ
脚本:パオロ・タビアーニ、ビットリオ・タビアーニ、ファビオ・カバッリ
撮影:シモーネ・ザンパーニ
編集:ロベルト・ペルピニャーニ
音楽:ジュリアーノ・タビアーニ、カルメロ・トラビア
劇中戯曲:ウィリアム・シェイクスピア
キャスト
コジモ・レーガ、サルバトーレ・ストリアノ、ジョバンニ・アルクーリ、アントニオ・フラスカ、フアン・ダリオ・ボネッティビットリオ・パレッラ、ロザリオ・マイオラナ、ビンチェンゾ・ガッロ、フランチェスコ・デ・マージ、ジェンナーロ・ソリト、フランチェスコ・カルゾーネ、ファビオ・リッツート、マウリーリオ・ジャフレーダ、パスクアーレ・クラペッティ、ファビオ・カバッリ

あらすじ
ローマ郊外にあるレビッビア刑務所では、囚人たちによる演劇実習が定期的に行われており、ある年、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」が演目に選ばれる。オーディションでブルータスやシーザー、キャシアスなどの役が次々と決まっていき、本番に向けて刑務所の至るところで稽古が行われる。すると囚人たちは次第に役と同化し、刑務所はローマ帝国の様相を呈していく。(映画.comより)


73点

短いながら、とてもおもしろく、これまでに観たことのないような作品でした。

話の筋は至ってシンプル。刑務所にいる囚人たちが、演劇実習で「ジュリアス・シーザー」を演じることになり、練習を重ねていくというものです。それ以上のことは起こりません。

しかし、その話の演出の仕方がとにかく普通じゃない!
まず、話の中心になっているのが、「ジュリアス・シーザー」のストーリーそのものなのです。囚人たちがいかに本番に向けて練習して演劇を完成させたかという点は、「ジュリアス・シーザー」のストーリーに添う形で描かれていますが、実は話の本質ではありません。
構成は、囚人たちが演じた「ジュリアス・シーザー」のラストシーンから、舞台が終わり、囚人たちが舞台から監房へと戻っていくシーンへと続きます。そこからモノクロになって6ヶ月前へと時間がさかのぼり、「ジュリアス・シーザー」のキャストを決めるオーディションのシーンになります。そして、キャストが決まり演劇の練習が始まるのですが、ここからが本作品の独特なところです。「ジュリアス・シーザー」のストーリーに沿って、刑務所の様々な場所で繰り広げられる練習風景を見せるのですが、つっかえたり演技指導が入るのは初めのうちだけ。練習が進むにつれて、そして囚人たちが役にのめりこむにつれて、演劇の練習をしているのか、ローマ帝国にいるのか、私たち観客にもわからなくなってくるのです。

この効果を作り出している原因の一つは、もちろんモノクロの画面です。画面をモノクロにすることによって、「今・ここに在る」という感じがやや希薄になりますよね。モノクロは「今ではない・ここではないどこか」という印象を与え、こうして私たちは現代の刑務所の中にもローマ帝国を見出すことができるのです。
そして、もう一つの原因は、刑務所という場所の特殊性です。舞台になっているレビッビア刑務所は、重罪犯たちが収容されている刑務所です。その重罪犯たちが、ローマ帝国の独裁者や裏切り者、あるいはアジテーターたちにぴたっと重なってくるんですね。これは、「ジュリアス・シーザー」の劇中でブルータスがシーザーを裏切ろうとして煩悶する場面に、ブルータスを演じるサルバトーレが自らを重ねて苦悩するシーンによく表れています。また、ディシアスとシーザーがやりとりをする場面の練習のさなかで、ディシアスを演じるフアンが台本にない台詞を言うシーンなんかはぞくぞくするほど、ローマ帝国という虚と刑務所という実が入り混じった名場面でした。

また、刑務所という場所の特殊性は、独裁と裏切りという「ジュリアス・シーザー」の世界観との親和性と同時に、自由というローマ帝国の価値観との齟齬もはらんでいます。刑務所という規律された空間の中で、(演劇の中の虚構とはいえ)権力を持った為政者が殺され、それに対して「自由だ!」と叫ぶ違和感。塀の中のローマの自由民たち。この倒錯性が一番よく表れているのが、ラストの囚人たちが監房に戻っていくシーンです。舞台の上での自由なローマ帝国とガチャンと厳重に閉じられた監房の鍵との対比が見事です。実は舞台の上の自由なローマ帝国ですらも規律の一部に組み込まれているというさらなる倒錯性まで表現されています。この、「ジュリアス・シーザー」の世界観と刑務所との親和性と倒錯性が本作品の一番の魅力だと言えるでしょう。


これまでにないような映画の体験をさせてくれる作品です。76分という短い上映時間も私としては好印象ですね。ぜひとも観てみてください。おすすめです。

スポンサーサイト

最近のあれこれに関する備忘録的な話

お久しぶりです。インフルエンザで寝込んでおりました。てへぺろ。


インフルエンザの話。
おかげで映画館どころか外を出歩くこともできず鬱屈とした1週間を過ごしていました。・゚・(ノ∀`)・゚・。
映画館とバイト以外に外界と接触がないので全く知らなかったのですが、インフルエンザ結構流行ってるみたいですね。春めかしくなってきましたが、まだまだ寒い日も多いので皆さんも気を付けてくださいね。


「エクスペンダブルズ2」のブルーレイを買った話。
「エクスペンダブルズ2」のDVD、BDが発売されましたね。私はプレミアム・エディションを買いました!
初回封入特典のアウターケース、ブックレット、ビジュアルカードもばっちりついてました。ただ、ブックレットとビジュアルカードは劇場公開時のパンフレットで上位互換できる内容だったので、初回封入特典にはそこまでこだわらなくてもよさそうですよ。
内容についても詳しく書きたいのですが、ブルーレイの再生機器を持っていないのでまだ観れていないんですよね!!(ちなみに同じ理由で「特攻野郎Aチーム」の無敵バージョンも未見ですw)いいかげんプレイヤー買うべき。


感想をまだ書いていない映画の話。
試験が終わってから、遊び歩いていたので、観た映画の感想を書くのが間に合っていませんw
今のところ感想をまだ書いていないのが、「ル・コルビュジェの家」「レッド・ライト」「塀の中のジュリアス・シーザー」の3作品です。「レッド・ライト」のキリアン・マーフィーの神経質な理系男子感にすっかりやられてしまいました。美しすぎるよキリアン君…


プリキュアの話。
ついに明日プリキュアオールスターズ公開ですね。楽しみです。
もうテレビシリーズは新しいプリキュアに代替わりしているんですね。びっくりしました。アニメは他の番組と改編期が違うんですかね?個人的にはスマイルプリキュア好きなので、オールスターズでもスマイルプリキュア勢に頑張ってほしいですね。


卒業決まった!な話。
先日3月26日付で大学を卒業することになりました。
試験無事に全部パスできていました。応援してくださった皆さんありがとうございました!
ちなみに来年からは大学院生です。まだ学生料金で映画観れますwやったね。


最近はこんな感じでした。おしまい。

テッド感想(ネタバレ)

テッド

原題:Ted
製作年:2012年
製作国:アメリカ
上映時間:106分
監督:セス・マクファーレン
製作:スコット・ステューバー、セス・マクファーレン、ジョン・ジェイコブス、ジェイソン・クラーク
製作総指揮:ジョナサン・モーン
原案:セス・マクファーレン
脚本:セス・マクファーレン、アレック・サルキン、ウェルスリー・ワイルド
撮影:マイケル・バレット
美術:スティーブン・ラインウィーバー
編集:ジェフ・フリーマン
衣装:デブラ・マクガイア
音楽:ウォルター・マーフィ
キャスト:マーク・ウォールバーグ、ミラ・クニス、セス・マクファーレン、ジョエル・マクヘイル、ジョバンニ・リビシ、パトリック・ウォーバートン、マット・ウォルシュ、ジェシカ・バース、パトリック・スチュアート、ノラ・ジョーンズ、サム・ジョーンズ、トム・スケリット

あらすじ
いじめられっ子の少年ジョンは、クリスマスプレゼントにもらったテディベアのテッドと本当の友だちになれるよう、神様に祈りをささげる。すると翌日テッドに魂が宿り、2人は親友になる。それから27年が過ぎ、ジョンとテッドはともに30代のおじさんになっていた。一時は「奇跡のテディベア」としてもてはやされたテッドも、幻惑キノコで逮捕されてからは堕落し、下品なジョークと女のことばかり考える日々。そんなある日、ジョンは4年間つきあっている恋人から、自分とテッドのどちらかが大事なのか選択を迫られ……。(映画.comより)


70点

笑って泣ける作品とはこのこと!!

かわいいテッドに完全に心を奪われてしまいました。ぬいぐるみが動くとこんなにかわいいか!という感じです。
特に、雷が鳴ってジョンが怖がっているところに、これまた雷を怖がっているテッドが走ってやってきて布団にもぐりこみ、2人で「雷兄弟の歌」を歌っているシーンが私のお気に入りです。(次点は、「俺のふわふわの指にも指輪をはめろよぉ」ですw)
テッド11
見よ、このかわいらしさ!!

また、かわいい見かけに反して酒は飲む、ヤクはキメる、下品な事を言いまくるとやりたい放題なところもよかったですね。かわいい外見のキャラが実はダーティというのは、お約束ですがおもしろいですよね。
サウス・パークのタオリーや
タオリー
こいつもヤクをキメてましたねw

まりあ†ほりっくの寮長先生など
寮長先生
寮長先生まじゴッド

かわいいのに実はダーティというキャラには枚挙にいとまがありません。マスコットキャラだとダーティでも、かわいいから許せちゃうんですよねw
また、テッドの場合、ダーティさがリアリティの演出としても機能していました。魂が宿ったばかりの頃は、声もかわいくて下品なセリフも言わなかったのですが、ジョンと長い年月過ごし、ジョンと共に成長した結果として、中年おっさんみたいな声になって下品なことを言ったり、酒を飲むようになったりしたわけですね。オープニングのジョンとテッドの成長を追った映像と合わせて、テッドの実在感やジョンと一緒に過ごした時間の長さをリアルに表現できていました。

テッドがかわいいだけではありませんよ。ストーリーもとてもよかったです。単なる動くぬいぐるみの話になっていなかったのは好感が持てます。
本作のストーリーは、ジョンの側から見るか、ジョンの恋人ロリーの側から見るかで、大きく変わります。ジョンの側から見れば、恋人も大事だけど友達とガキみたいなバカやってるのも楽しくて、バカやってたら恋人に捨てられそうになってさあ大変という話だし、ロリーの側から見ると、恋人の友達は尊重したいけど、その友達のせいで恋人は自分との将来を考えてくれそうもなくてどうしたらいいのという話です。どちらも現実によくある話ですよね。そんな「よくある話」に、動くぬいぐるみという要素を入れると、深刻さが増すところに本作のおもしろさがあります。ジョンの親友がぬいぐるみであるために、ジョンの子どもっぽさが際立ち、ロリーのいらだちも募るわけですね。動くぬいぐるみというファンタジー要素を、上手にリアルな話の中に織り込んだなぁと思います。

テッドとジョンの男同士の友情の描き方も好きです。
男子の友情の間には、なかなか女子は入っていけませんよね。「ビア~スキー」という名前っぽいのをテッドとジョンが挙げていき、最後にロリーが「マルチナ・ナブラチアビスキー?」と言うと、テッドとジョンが同時に「それはダメ」とダメ出しするシーンはよかったです。テッドとジョンにしかわからないルールがあるところや、ロリーがそこに入れなくてややキレ気味になるところに男子の友情感が感じられます。
テッド3
彼氏と彼氏の友達がここまで仲いいのは、ちょっと妬いちゃうよねw

一番好きなテッド&ジョンの友情シーンは、やっぱり本気の殴り合いからの仲直りシーンです!
テッドはぬいぐるみとは思えないほどの打撃音を出しながらジョンをぼっこぼこにし、ジョンもぬいぐるみ相手に本気で殴りかかります。シチュエーションだけでもかなり笑えますし、喧嘩の大惨事具合もなかなか愉快でした。その後の仲直りは感動的でしたね。30年以上も親友をやってきた2人の強い絆と友情を感じます。BB弾で撃ったリスの話の見事なオチも秀逸だと思いますw
そして、テッドが誘拐されて、逃げる途中にバラバラになってしまってからの展開は、涙なしには観れません。ジョンと一緒になって「テッド助かって!」と必死になってしまいました。テッドが死んで、ジョンがテッドの言った通り雷を怖がらなくなった描写がさりげなく入っているのもよかったですね。翌朝テッドが生き返っているのを見て、お約束で見え見えの展開ではありましたが、感動してちょっと泣いてしまいました。


テッドのかわいさだけでも十分映画館に観に行く価値があります。おすすめですよ。

ダイ・ハード ラスト・デイ感想(ネタバレ)

ダイ・ハード/ラスト・デイ

原題:A Good Day to Die Hard
製作年:2013年
製作国:アメリカ
上映時間:98分
監督:ジョン・ムーア
製作:アレックス・ヤング、ウィク・ゴッドフリー
製作総指揮:トム・カーノウスキー、ジェイソン・ケラー、スキップ・ウッズ
脚本:スキップ・ウッズ、ジェイソン・ケラー
撮影:ジョナサン・セラ
美術:ダニエル・T・ドランス
衣装:ボヤナ・ニキトビッチ
編集:ダン・ジマーマン
音楽:マルコ・ベルトラミ
キャスト:ブルース・ウィリス、ジェイ・コートニー、セバスチャン・コッホ、ラシャ・ブコビッチ、コール・ハウザー、ユーリャ・スニギル、メアリー・エリザベス・ウィンステッド

あらすじ
ニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーンは、遠くロシアの地で警察沙汰のトラブルを起こした息子ジャックの身柄を引き取りにモスクワへ降り立つ。しかし、到着早々にテロ事件に巻き込まれたことをきっかけに、大物政治家や大富豪、軍人らが暗躍する巨大な陰謀を壊滅させるためジャックとともに奮闘するはめになる。(映画.comより)


35点

ダイ・ハードシリーズ最新作ということで、期待と不安で一杯になりつつ観に行きました。感想を一言で言うと、もうがっかりだよ!!!といったところですね。

まず、脚本ががっかりでした。こんなのダイ・ハードじゃない!
主人公のジョン・マクレーンからして、こんなのジョン・マクレーンじゃない!という感じでした。彼は、特別強いわけではないただの刑事で、色々な事件にただ単に運が悪くて巻き込まれちゃうというキャラだったはずです。それが本作では、敵を殺すために自ら出向いてドンパチやらかす始末。ブルース・ウィリスの「最強のアクション俳優」というパブリックイメージが先に立ちすぎていて、ダイ・ハードのジョン・マクレーンではなくなってしまっていました。ラスト付近のジャックがジョンに向かって、「あんたは運が悪いのか自分から事件に首を突っ込んでいるのか時々わからなくなる」というシーンには絶句してしまいました。この脚本家は根本的にマクレーンのキャラを勘違いしています。マクレーンは自分から事件に首を突っ込むタイプではないんです!!
悪役との知恵比べがなかったのもダイ・ハード感がなくてがっかりでした。ジョン・マクレーンのキャラの描き方とも関係してくるのですが、ダイ・ハードは決して身体能力が高いわけではないマクレーンが身体を張って、さらに知恵を使って敵に勝つというところがキモだったはずです。しかし、本作では知恵を絞って困難を乗り越えるような展開がなく、ただただ敵を殺していくだけでした。これだったらダイ・ハードである必要がありません。

また、ダイ・ハードじゃなかったとしてもいまいちな箇所も多かったです。
とにかく「やっとる場合か!」とか「わざとらしいよ!」とツッコミたくなるシーンが多かったです。マクレーンがコモロフに「俺はダメな父親だった」と話すのを、トラックの影からジャック聞いているシーンが典型ですね。そもそもわざとらしいし唐突だし、すごく急いでいるはずなのに、今それやらなきゃダメ?という感じでした。
マクレーンの執拗な父親アピールもうっとうしかったです。なにかにつけて「俺は父親だぞ」とくるのが、イライラする上にわざとらしく感じました。特にジャックのお腹に刺さったものを抜くシーンは、非常にいらついてしまいました。過剰な父親アピール、いらない思い出話、無駄なセンチメンタリズムととにかく無粋な要素が多すぎます。マクレーンと息子が和解する過程を見せたいのはわかりますが、演出過剰にも程があります。初めにマクレーンとジャックが決定的に仲たがいしているところを見せておいて、親子共闘からお互いを信頼している描写にそのままつなげてもよかったのではないでしょうか。

いろいろ文句は言いましたが、実際脚本についてはそんなに期待していなかったのでいいのです(予想よりずっと出来が悪くてがっかりではありましたが)。問題はアクションもがっかりだったことです。せっかくIMAXで観たのに、全く楽しめませんでした。
アクションがびっくりするほど見づらいです。カメラを揺らしすぎだし、カットの割り過ぎで何が起こっているのかさっぱりわかりませんでした。アクションで何が起こっているのか分からないのは最悪です。
序盤のカーアクションシーンは本当に最悪でした。見にくい上に、ストーリーは進行しないし、無駄に長いしで、ブレブレの映像を延々と見せられるちょっとした苦行シーンになっていました。そもそもアクションのためのアクションになっていてストーリーが進行しないのはどうかと思うのですが、ストーリーが進行しないなら短く済ませるべきだし、アクションメインのシーンなのに肝心のアクションが全く見えないのは苦痛です。


不満な点はたくさんあるのですが、最後のヘリの爆発シーンは派手で唯一よかったシーンだと思います。なので、爆発ポイント15点、ブルース・ウィリスポイント20点で35点というところですね。

LOOPER ルーパー感想(ネタバレ)

looper

原題:Looper
製作年:2012年
製作国:アメリカ
上映時間:118分
監督:ライアン・ジョンソン
製作:ラム・バーグマン、ジェームズ・D・スターン
製作総指揮:ダグラス・E・ハンセン、ジュリー・ゴールドスタイン、ピーター・シュレッセル、ジョセフ・ゴードン=レビット、ダン・ミンツ
脚本:ライアン・ジョンソン
撮影:スティーブ・イェドリン
美術:エド・バリュー
衣装:シャレン・デイビス
編集:ボブ・ダクセイ
音楽:ネイサン・ジョンソン
キャスト:ブルース・ウィリス、ジョセフ・ゴードン=レビット、エミリー・ブラント、ポール・ダノ、ノア・セガン、パイパー・ペラーボ、ジェフ・ダニエルズ

あらすじ
タイムマシンの開発が実現するも、法律で使用が禁じられている近未来。法を恐れぬ犯罪組織が、消したい標的をタイムマシンで30年前に送り込み、そこにいる「ルーパー」と呼ばれる暗殺者に標的を殺させていた。凄腕ルーパーのジョーはある日、いつものようにターゲットの抹殺指令を受けるが、未来から送られてきた標的は30年後の自分自身だった。(映画.comより)


72点

ジョセフ・ゴードン=レヴィットに釣られて観に行ってきました。とてもおもしろいSFアクションでしたよ。

私はSFが好きなのですが、特に好きなのがタイムトラベルものです。宇宙の話もロボットの話もわくわくさせられますが、タイムトラベルは格別です。
タイムトラベルが他のSFと違うのは、まだまだ私たちにとって未知の領域であることです。宇宙へ行くことも、ロボットを作ることも不可能ではなくなった現在でも、タイムトラベルは100%フィクションの中の話ですよね。それゆえ、タイムトラベルの方法やルールが完全に作者の自由に委ねられていて、私たちは様々なタイプのタイムトラベルの話を楽しむことができます。「タイムトラベルはこういうもの」という制約がないので、なんでもありなんですね。だからタイムトラベルの話は設定だけでわくわくするのだと思います。
また、タイムトラベルの特別なところは、タイムパラドクスという厄介な問題がつきまとうところです。もし過去に遡って自分の親を殺したら?とか、タイムパラドクスほどの問題ではなくても、過去の出来事が起こるのを阻止したらどうなるの?とか、タイムトラベルをすることについて生じる様々な疑問にどう作者が答えるのかが一番おもしろいところではないでしょうか。設定と上手に調和させながら、タイムパラドクスの問題をクリアしている作品に出会うと感動してしまいますよね。

さて、本作ではタイムトラベルの方法について、詳しい説明はなされていません。それどころか、「タイムトラベルの話は厄介だから訊くな」という斬新な開き直りをする始末でしたねwあまりタイムマシン感のない粗末なマシンに乗って30年前の世界に行くというものでした。そういう意味で、タイムトラベルをする方法には、あまりわくわくはありません。
しかし、過去の自分が未来の自分に与える影響のルールが、とてもおもしろかったです。ヤング・セスが組織に捕まる(そしておそらく拷問を受けている)と、30年後のオールド・セスの部位欠損が始まっていき……という場面は、すごくよかったです。直接的に残酷な拷問シーンを見せるよりも、残酷描写として効果的だと思います。背筋が凍りました。また、そのシーンでオールド・セスの腕に浮かび上がる「→BE AT~」というメッセージが少し後で生かされているのがいいですね。オールド・ジョーの腕に「→BEAT…」が見えたときは心底ぞっとしました。過去の自分が自分と違う行動をとると、新たな記憶が流れ込んでくるというのもよかったですね。オールド・ジョーが妻の思い出が消えそうになって焦るシーンは、切迫感と切なさがあって好きです。

また、過去の自分が未来の自分を殺そうとするという点でも、本作はおもしろいですよね。ジョーは、オールド・ジョーを見て一瞬撃つことができなかったのですが、それはターゲットが遅れてやってきた上に袋をかぶっていなくて、しかも自分だったということに対する単純な驚きで撃てなかっただけで、その後は本気で殺しにかかってるんですよね。一応自分自身だというのに、全くひるまずに殺そうとするあたりが、今の自分だけが全てだと考えるジョーの性格をよく示していると思います。それを考えると、ラストの自己犠牲的な行為は、主人公の成長を的確に物語っています。自分のことしか考えないヤング・ジョーも、レインメーカーを殺すと言う考えにとりつかれて手段を選ばなくなってしまったオールド・ジョーも超えて、どちらにもできなかったであろう選択をしたと思います。

アクション映画としても、いいシーンがたくさんありましたよ。
私の一番のお気に入りのシーンは、捕えられたオールド・ジョーが組織の人間を皆殺しにしていくシーンです。ド派手で私好みですね。ガットマンが一塊りになり銃を構えて、オールド・ジョーがやってくるのを待っているところをドカーンと爆破するところなんか最高です。やっぱりブルース・ウィリスは最強!
アクションとは少し違いますが、シドのTK能力発動シーンもなかなか壮絶でしたね。シドがサラを「嘘つき!」と糾弾しながら顔つきが邪悪になっていき、TK能力が発動するシーンもよかったのですが、印象に残ったのはジェシー爆発のくだりです。シドが階段から落ちかける→ジョーが助けようとする→サラがジョーを止めて屋外に逃げる→シドのTK能力発動→ジェシー爆発の流れはすさまじかったです。その後の頭が血まみれのシドが茫然とたたずむシーンと併せて、とにかく壮絶でした。

お目当てのジョセフ・ゴードン=レヴィットも素敵でした!ブルース・ウィリスに似せるための特殊メイクで、いつものキュートな感じはあまりありませんが、さすがの演技力でした。ヤング・ジョーとオールド・ジョーがちゃんと同一人物に見えたのは、彼の演技のたまものだと思います。素晴らしいですね。
そして、最近結婚指輪をしている男性を見るとなんか萌えてしまうという謎の病気にかかっている私は、ブルース・ウィリスに目が釘付けになってしまいました。特に、レインメーカーの疑いのある1人目の子どもを殺した後の、結婚指輪をしている手で目をおおう仕草にはぐっときてしまいました。


SFとしてもアクションとしてもおもしろい作品でしたよ。母と子の物語としてもよくできていました。おすすめです。

02 | 2013/03 | 04
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
プロフィール

ぞるたん

Author:ぞるたん
映画が好きです。
映画歴は短いので、旧作の知識はあまりありません。おすすめ映画ありましたら、ぜひ教えてください!

映画もブログも超初心者ですが、どうぞよろしくお願いします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。