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リンカーン感想(ネタバレ)

licoln

原題:Lincoln
製作年:2012年
製作国:アメリカ
上映時間:150分
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー
原作:ドリス・カーンズ・グッドウィン
製作総指揮:ダニエル・ルピ 、ジェフ・スコール 、ジョナサン・キング
製作:スティーヴン・スピルバーグ 、キャスリーン・ケネディ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
プロダクション・デザイン:リック・カーター
音楽:ジョン・ウィリアムズ
編集:マイケル・カーン
衣裳デザイン:ジョアンナ・ジョンストン
キャスト:ダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、デヴィッド・ストラザーン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ジェームズ・スペイダー、ハル・ホルブルック、トミー・リー・ジョーンズ

あらすじ
貧しい家に生まれ育ち、ほとんど学校にも通えない少年時代を送ったリンカーンだが、努力と独学で身を立て大統領の座にまでのぼりつめる。しかし権力の座に安住することなく奴隷解放運動を推し進めたリンカーンは、一方でその運動が引き起こた南北戦争で国が2つに割れるという未曾有の危機にも直面していく。(映画.comより)


68点

公開からかなり時間が経ってしまいましたが、「リンカーン」感想です。
名作級とは言えませんが、かなりいい作品でした。久しぶりに劇場で泣きました。

本作は、アメリカでもっとも愛されている大統領リンカーンを描いています。しかし、彼の人生、或いは政治家人生の全てを描いているわけではありません。本作が焦点をあてているのは、合衆国憲法の修正13条成立の時期のみです。映画的には超おいしいはずの「人民の、人民による、人民のための…」の演説シーン(ダニエル・デイ=ルイスのリンカーンが完璧なので、最高においしかったはずなんです!)がなかったり、南北戦争のいきさつや奴隷解放宣言なんかもばっさりカットされており、リンカーンが2期目の大統領選に当選したところから物語ははじまります。これはかなりいい選択だったと思います。修正13条成立にのみ焦点をあてることで、かなり濃いドラマに仕上がっていました。

また、全体として多くを語り過ぎない演出が多かったです。リンカーン自身が、たとえ話を駆使した長話をぶちあげるので(作中でもちょっと不興をかってましたよねw)、さらに撮り方まで説明的だとくどくなってしまいます。その意味で、この寡黙な演出はよかったです。ごてごて演出しないことで粋な味を出しているシーンもたくさんありました。
例えば、ゲティスバーグ演説の登場のさせ方は素晴らしかったです。ゲティスバーグ演説はリンカーンを語る上では欠かせない演説ですが、これをリンカーン本人にはやらせないのです。戦地に向かう北軍の黒人兵士とリンカーンの対話のシーンで、この黒人兵士に語らせるんですね。「人民の、人民による…」と言いながら戦地に赴く黒人兵士をリンカーンがみつめる演出が粋でした!
白眉は修正13条成立の瞬間です。ぎりぎりまで成立するのかハラハラさせておいて(可決するのはわかっているのにハラハラさせるあたりもうまいですよね)、決定的な瞬間は騒然とする議会から離れ、鐘の音が鳴り響き風が吹き込む中、窓辺に静かに佇むリンカーンのシーンに切り替わります。最高に粋な引きの演出でした。

そして、本作の最高に素晴らしいポイントは役者たちの演技です。
なんといっても、主演のダニエル・デイ=ルイス!!完璧にリンカーンでしたね!
リンカーン本人
こちらが本物のリンカーン

ダニエルリンカーン
こちらがダニエル・デイ=ルイス演じるリンカーン

まるで本物のリンカーンがそこにいるようでした。単純に姿が似ているのもさることながら、スクリーンからも伝わるほどのカリスマ性や、聡明にして茶目っ気たっぷりで、人懐っこく誰からも愛される人格者というリンカーンのイメージを見事に体現していました。
普段は物静かで、でも話し出すと巧みでおもしろい例え話を駆使して長々と楽しげに話すリンカーンが、珍しく声を荒げて奴隷制廃止の重要性を説くシーンは秀逸でしたね。このシーンが情熱と説得力をもって心に迫ってくるのは、ダニエル・デイ=ルイスの力によるところが大きいと思います。

脇を固める俳優陣も素晴らしかったですよ。私は、デヴィッド・ストラザーンとトミー・リー・ジョーンズが特によかったと思います。
デヴィット・ストラザーンは、国務長官ウィリアム・スワードを演じていたのですが、偉大な人物のデキる右腕感がよくでていました。修正案を通すためにあれこれと画策する姿は、リンカーンと彼の信念を心から信じていることが伝わってきてよかったです。
トミー・リー・ジョーンズは完璧にハマってましたね!奴隷解放急進派のタデウス・スティーブンスを演じています。頑固で、皮肉屋で、自分の主張を決して曲げない、劇薬みたいなこの男を演じることができるのはトミー・リー・ジョーンズだけだと思います。修正13条が可決され、大変な騒ぎになっている議会から、スティーブンスが修正13条の原本を借りて(「折るけどちゃんと返すから」というセリフも妙にかわいくてよかったです)、杖をついて一人静かによぼよぼと出ていくところは、うしろ姿で全てを物語っている素晴らしいシーンでした。


ストーリーもよかったですね。
リンカーンの信条がわざとらしくなく丁寧に描かれており、民主主義の価値を改めて考えさせられました。あの時代、アメリカでさえ自由と平等は自明のものではなかったのですね。「黒人や女性にも参政権を与えるのか?」という演説に議会にいる人々がざわめくシーンを見て、現代とは全く異なる価値観に驚かされました。それだけに、リンカーンの「はじまりは全て等しかった」というセリフが重みをもちます。
スティーブンスのエピソードは涙なしには観れませんでした。スティーブンスがなぜ奴隷解放に執着し、妥協できないのか、そして、なぜ妥協するに至ったのか、どれも理由は一つなのですが、それが明らかになるシーンを終盤に持ってくるあたり、にくいですよね。

ただ、ストーリーの運びはやや中途半端なところも多かったです。
特に、多くの人が突っ込みを入れたであろう、リンカーンと息子のロバートの対立がうやむやのままに終わってしまったのは、どうしてももやもやしてしまいますよね。また、ラストもなんとなくすっきりしませんでした。ストーリーの運びとは少し違う話なのですが、リンカーンがやはり手袋をつけずにウィリアムに返し、暗殺の劇場に向かう後ろ姿のシーンで終わった方が座りがよかったと思います。その後、暗殺のシーンも入れずに、リンカーンの遺体を家族達が囲み、リンカーンの演説を回想シーン的に入れて終わり、というのは蛇足に感じました。
もちろんリンカーン史にリンカーンの暗殺が欠かせないのはわかりますが、それなら暗殺シーンを入れた方がよかったのではないでしょうか。暗殺シーンを入れないというのは、いくらなんでも引きすぎです。その他の引きのシーンが引きの演出として成立しているのは、リンカーンの視点を入れているからです。ラストのリンカーン暗殺以降は誰の視点で描かれているのかよくわからず、少し散漫になってしまっていました。


ダニエル・デイ=ルイスのリンカーンぶりを見るだけでも価値のある作品です。
民主主義の理念や価値を考えるきっかけにもなると思います。ちょっと長い作品ですが、興味のある方はぜひ。おすすめですよ!




追記:Eveさんが運営していらっしゃるブログ「The Jones Gazette」のリンカーンカテゴリの記事が素晴らしかったので、紹介させていただきます。
「The Jones Gazette」ではトミー・リー・ジョーンズ氏の最新情報が紹介されています。Eveさんのトミー愛が炸裂する素敵なブログです。
その中のリンカーンカテゴリは21の記事からなっています。トミー関連記事はもちろんのこと、インタビュー動画やキャラクターとキャストの比較画像などの記事もあり、情報満載です。ぜひみなさんもご覧になってください。

「The Jones Gazette」のリンカーンカテゴリはこちらから
「The Jones Gazette」はこちらから

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comment

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お久しぶりです(#^.^#)

こんばんは♪
お元気でしたか?(#^.^#)

リンカーンご覧になったんですね。
トミーのことをお褒めいただきありがとうございます(>▽<)♪
ぜひ、うちのリンカーンカテゴリもご覧になってくださいませ。

http://tljgazette.blog.fc2.com/blog-category-10.html

お忙しいとは思いますが、酷暑の折からくれぐれも
ご自愛なさってくださいね(^^)

No title

>Eveさん

こんばんは!
連日の暑さにちょいへばり気味ですw

Eveさんのアドバイス通り予習していきました。おかげ様でとても楽しく観れました。
トミーの圧倒的な存在感といったらなかったですよね!

Eveさんのブログのリンカーンカテゴリ拝見しました。
トミー愛あふれる素晴らしい記事ばかりでした。
追記にて紹介させていただきました。不都合がありましたら、お手数ですがコメント欄にてお知らせください。

26日公開の「31年目の夫婦げんか」も楽しみですね!

ありがとうございます!

こんばんは♪

リンカーン記事のご紹介、ありがとうございます(#^.^#)
感想文書くのが本当に苦手なので、レビューは皆さんに
おまかせしました( ̄∇ ̄*)ゞ
9月にはブルーレイ&DVDも発売になります。
こちらもよろしくお願いします(^^)

>26日公開の「31年目の夫婦げんか」も楽しみですね!
実は試写会に当選し、17日観てきました(*^^)v
18日は終戦のエンペラーのジャパンプレミアを。

エンペラーはものすごい宣伝ですし、大作なんですが
個人的には夫婦げんかのほうが好きです(^^ゞ
特に私の世代の人たちは必見(笑)
でも脚本は独身女性だそうです。若い方々も十分楽しめると思います。
滅多に見られないトミーをご覧あれ(^o^)/

No title

>Eveさん

こんばんは。

「31年目の夫婦げんか」もうご覧になったんですね。流石ですw
Eveさんのおすすめということで、ますます楽しみになりました!
観たら感想書きますねー
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ぞるたん

Author:ぞるたん
映画が好きです。
映画歴は短いので、旧作の知識はあまりありません。おすすめ映画ありましたら、ぜひ教えてください!

映画もブログも超初心者ですが、どうぞよろしくお願いします。

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